氷雪地獄紀行　4日目


2月10日（木）　旭川　紋別　　　ナイスドリル！


ガリンコ号船首ドリル


旭川 　道北バス  
　オホーツク  		 紋別BT
 　　　  09:35 12:40  　　　 


　　　気がついたら7時半！7時にアラームが鳴らなかったぞ！昨日落としたときに壊したかと蒼くなったが、そうではないようだ。アラームは普段使わないからよくわからんのよね……。簡単ながら朝食のサービスがあるということで食堂に向かいますと、用意されていたのはご飯、ロールパン、ジャムにマーガリン、インスタント味噌汁、コーヒー、お茶、生卵、味付け海苔、たくあん、せんキャベツ、納豆とおかずらしいものはなく、ご飯のお共のみ。いやいや、私は全然構いませんよ？こんだけあれば上等上等。お皿にキャベツ敷いてくぼみに卵割入れて1分チンして目玉焼き♪味噌汁はわかめとねぎ入れ放題！部屋に戻っておかあさんといっしょ、ピタゴラスイッチ、ポケモンなど観ながら身支度を整え、9時前に出発しました。


　　　今日は紋別で流氷見物！バスで3時間！長距離バスは苦手なんだよなあ……タバコだの排ガスだのが入り混じった独特の臭いがね……。でもほかに手段がないのでいたしかたない。まずは駅前の道北バス営業所にて、往復切符+流氷観光船『ガリンコ号』+旭山動物園+旭川〜動物園往復のセット券を購入。バスの時間まで駅のkioskなどできららを探したけど、やっぱりみつからない。……あ！駅前のビルにアニメイトが！Σ(ﾟ∀ﾟ*)　でも10時〜19時半か……。明日動物園から帰ってきて札幌行きに乗るまで15分ほどあるので、そこが勝負だな！おっとそうだ、ガリンコ号の確認をしておかなくては。最終便のサンセットクルーズを電話予約したとき、今のところ2人しか予約が入っていないので、もしかしたら1つ前の便になるかもなんて言われてたんですよ。事務所に電話したところ、サンセットクルーズいけるそうな♪


　　　缶コーヒーを携えて9時半にバスに乗り込むと、乗車率は半分以下。おや、全く嫌な臭いがしないな！さては最初から禁煙なんだなこのバスは。これはありがたい♪トイレもあって安心です。上着をたたんだりして出発を待っているところへ、営業所のメガネでショートのかわいい高橋留美子みたいなおねーさんが息せきって乗り込んできて、動物園券の有効期限の説明を忘れちゃいましたごめんなさいとのこと。今日から3日間有効だそうです。ドジっ娘に認定。というわけで定刻通りにバスが発車いたしました。途中の駅前バスターミナルで5分ほど休憩する他はほぼノンストップだそうな。


　　　車窓からの景色はなかなかのもので、特に雪をいただいた山々が素晴らしい。これは飽きないわ♪そしてJR上川駅前営業所にて5分休憩。バスを降りてトイレを借り、駐車場であ〜っと体を伸ばす。冷たい澄んだ空気がうまいね！この営業所は上川町商工会議所なども兼ねている様子で、特産物や観光資源など町の情報が掲示されてましたが、なんと2011年ノルディック世界選手権に地元高校生が出場するそうな。頑張れ！


　　　12時前に滝西、続いて滝上という土地を通過。たぶん滝があるんだろうな。国道273号線を爆走中だけど、もうほんと道路がまっすぐ！気持ちいいぐらいまっすぐ！さすが北海道！雪もごんごん叩きつけてくるしね。ちなみに滝上は「木炭の里」とのことで、なかなか大きな街のよう。近くに「童話村」があるらしい……気になる……。さて次の停留所は電光掲示板によると「上渚滑」なんだけど、なんと読むのか聞き取れませんでした。かみなとこ？……「かみしょこつ」でした。読めるか！うわ、バス待合所が半分ぐらい雪に埋もれてるｗｗｗ入れないｗｗｗ　道路際の牧場で牛が寄り集まってなんか食ってた。元気だな〜。次の渚滑（しょこつ）も大きい町で、紋別のホテルなどの案内板が出始めました。ここはもう紋別市なんだね。おおっ、左手にオホーツク海がみえてきました！


　　　やっと紋別に到着。長かった……。どっかで飯食って、ガリンコ号の乗り場がある海洋交流館まで歩くよ！4kmぐらいなのでちょうどいいお散歩ですかな。まずは繁華街であるはまなす通りをのぞいてみたけど、いわゆる「夜の歓楽街」のようでバー、スナック、赤提灯ばかりでどこも開いてない。飯食うなら普通の商店街じゃないとダメかも……。そこでバスターミナルに戻り、すぐ近くの商業施設『氷紋の駅』をのぞいてみました。温泉『とっかりの湯』、食堂、スーパー、土産物屋などの複合施設ですな。風呂700円と定食840円のセットが1300円とお得なので、ひとっ風呂浴びてホッケ定食でもいただきましょうか♪……あらいいお風呂！泡風呂、ジェットバス、薬湯、ミストサウナなどひと通り揃っていて、特に昔の蒸し風呂を再現した室（むろ）サウナが面白い。雪見の露天風呂がたまんないね♪あ〜いいお湯でしたと大座敷から雪の庭園を眺めつつ、ホッケ定食とサッポロ黒ラベル♪ホッケでけぇ！そしてうめぇ！


　　　……しまった、ゆっくりしすぎた！と慌てて海洋交流館に向かいました。雪の歩道を踏みしめつつ歩いていると、たまにがぼっと凄いところまで足が埋もれてしまい、ふおおおおと慌てて引っこ抜くということ多数。雪国怖いっす。でも漫画っぽいアザラシのイラストが入ったマンホールのふたがイカしてる♪そんな中、公園のような展望台のような場所をみつけました。水産加工場など港を一望できるよ！これはいいわ〜。でも駐車場にパトカーが停まってたので、ボボボボクアヤシイモンジャアリマセンヨと犯人でない風を装う。……おや、さっきまでどんよりとした空だったのに、ちょうどいい具合に晴れてきました！これは日頃の行いのいい私へのご褒美か！？ステキなサンセットクルーズになりそうな予感♪


　　　さてなんとか海洋交流館にたどりつきますと、団体様でごった返しております。10日〜13日は流氷まつりとのことで、隣の公園にはたくさんの氷像が立ち並んでます。さっそく乗船手続きをしたところ……今日は流氷が来てないですと！？Σ(ﾟдﾟ；)　400円返されちゃったよ。しかも乗船時間1時間のところ45分に短縮。流氷が遠すぎてそこまで行けないらしいんだよね。しかし流氷まつりの真っ只中に来ないとは、天の邪鬼なやつめ……。ちなみに緊急時に協力を頼むので、医師、看護士、自衛官、警察官などは申し出て欲しいそうな。記念撮影場所に氷漬けのホタテやシャケ、巨大なカニの爪オブジェなどがありましたが、変な顔のクリオネイラストがキモすぎてドン引き。


　　　16時過ぎにガリンコ号に乗船し、もちろん甲板に陣取っちゃいますよ。すげぇ寒くてぴるぴるしてきたけど、そんなこと構っちゃいられないぜ！流氷は来てないと言いつつも、細かいのが流れてきて港にたまってました。ほどなく出港し、先端の2本の漢らしいドリルをぎゅいんぎゅいんとうならせつつ、オホーツク海を突き進む！流氷なくても回すんだなこれ。いや〜それにしてもこのドリルはいいわ〜。実にナイスドリル！夢中になってカメラ構えちゃいましたよ。甲板をうろうろしてみると、どーもくんが描かれたNHKお天気カメラを2つ発見しました。これで流氷情報流すんだろうか。もしかしてライブカメラ！？あ、操舵室に入れてもらってる親子連れがいる！いいな〜。


　　　空を朱に染めつつ山に隠れてゆく夕日が、この上もなく美しい。やっぱサンセットクルーズにして大正解でしたな！堤防を抜けて外海に出ると、揺れや風が強くなってきました。ふっ、これぐらいの方が醍醐味が味わえるってもんよと甲板に陣取り続けるが、ごつい手袋してるにも関わらず寒すぎて手がしびれてきた。そこを狙うかのように、襲い来るカモメの大群！慣れっこの皆さんは既に食パンをスタンバっておりまして、ちぎっては投げちぎっては投げするがカモメさんはなかなかうまくキャッチできない様子。風強いからな〜。カモメが行き過ぎると今度は流氷のかけらが筋のように流れてきました。たぶんわざとその上を進んでる。これはこれでなかなか趣きがありますな。


　　　17時前に戻ってきました。なかなか楽しかったぜ！ガリンコ号かっこよかったしな！時間があれば堤防の端にある展望台『ガリンコタワー』に行きたかったな。休憩所で北海道限定ジョージア・サントスプレミアムをすすってひと休みして、17時半のバスで市街地に戻る。今日のお宿の紋別プリンスホテル辺りで降ろしてくんないかなー。……近くの紋別セントラルホテルで停まったのでついでに降りました。一応近くのコンビニに寄ってみたけど、やはりきららはなし。まさか北海道では売ってないんじゃないだろうな……。おっ、なかなかよさげな観光ホテルですな。1階にPCと漫画コーナーがありまして、なんと修羅の門が揃ってる！誰の趣味だよ！紋別の宿では唯一の温泉だそうで、アルカリ性でぬるぬるしてます。ちなみにプリンスホテルとはいっても、西武グループとはなんの関係もないらしい（笑）


　　　今夜はこれから紋別市のイベント「ロマンティックツアー」に参加してきます。貸切バスで冬の紋別の夜を楽しんじゃおうという企みですよ。19時過ぎにバスに乗り込み、まずは「ワインを楽しみつつミニコンサート鑑賞」ということで、流氷公園内の『あおぞら交流館』へと。その体育館？が会場でしたが、周りの部屋の様子を見るに児童施設のようですな。大きく開かれた窓の外はキャンドルによるライトアップという幻想的な光景。観客にはワイン（お代わり自由！）と地元産のチーズが配られ、並べられた椅子に、また会場内の遊具などにと思い思いに腰かける。そして明かりが落とされ、女性バイオリニストによるバイオリンソロが始まる。


　　　……ああ……なんという心地よさだろうか……。ゆったりと流れるバイオリンの調べ。時には優しく、時には力強く。知らず知らずのうちに目を閉じて聴き惚れてしまいました。曲目はヴィヴァルディの春、ルーマニアの作曲家の『望郷のバラード』、情熱大陸のテーマなど6曲。バイオリニストさんは弾きながら客席の間に入ってきたりとなかなか面白い人で、この体育館の音の響きやキャンドルの雰囲気にいたく感激しておられました。こちらこそ、素晴らしい演奏をありがとうございました！しかし……係員のおじさんが、演奏中にワインやチーズのお代わりの準備をしてがさごそと耳障りな音を立ててたのが気になった。騒音というほどではなかったが、みんな静かにしてるから異様に響くんだよなー。


　　　続いてバスは紋別名物「カニ爪オブジェ」に向かいました。なにそれ。……ほんとにカニ爪だ！高さ12mのリアルなカニ爪の像が、ライトアップされて暗闇に浮かび上がってる……シュールだなあ……。降りて触れるのかと思いきや残念ながらスルーされ、街中の一般家庭のライトアップを眺めつつ海洋交流館方面へ進む。乗客は観光客ばかりでなく地元の皆さんもいるようで、「あそこ俺んちｗｗｗ」などと盛り上がってました。


　　　海洋交流館前の流氷まつり会場に到着し、15分ほど氷像ライトアップ見物のお時間です。わずかな間なんで駆け足だな！団体や個人製作の氷像がぞろぞろと並んでますが、紋別市役所のミッフィーとかいいのか！？うわ、一般作品の宇宙戦艦アンドロメダの像すげえｗｗｗ　子供達は氷の滑り台に夢中になってました。ここの最大の呼び物は壮大な氷のお城で、確かに見応えがあるわ。でもとってつけたようなBGMが気に入らない。ちなみに、ガリンコタワーへの堤防をクリオネプロムナードと呼ぶそうな。


　　　ツアーはこれでおしまいとなり、ホテルを巡って乗客を降ろしていって、最後に先ほどのはまなす通りに停まりました。さ〜て一杯やるぜ♪昼間はほとんど全てのシャッターが下りてたけど、今は全開バリバリで酔っ払いども来やがれ！ってな感じです。そこでネットで評価の高かった『政寿司』さんの暖簾をくぐり、にぎり特上と冷酒とメフン塩辛をいただきます。ネタは地もののカレイ、タラバ、ウニ、イクラ、甘エビなど。素晴らしきオホーツクの幸と、評判通りのいい仕事に涙。メフンは鮭の血合いだそうで、バキで勇次郎が肴にしてるの見て気になってたんだが、冷酒との相性は絶妙♪追加でもらったサバが「この辺で一番うまいよ！」の言葉通り最高のシメ具合！これも一種の芸だな〜♪ちびちびやりつつ大将と旅行のことなどおしゃべり。ここ数日暖かいので流氷が来なくて、客がみんながっかりしてたそうだ。私は心に染みいる夕日が観られて満足ですけどね？


　　　繁華街をぶらついてみると、流氷まつりの一環で氷灯篭（氷の容器の中にろうそくが立ってる）があちこちにある。あるスナックの前でしゃがみ込んで眺めていたら、ゴミ出しに出てきたお店の人が手作りだと話しかけてきました。……あ、これ氷じゃなくてペットボトルだ！でかい焼酎のボトルだってｗｗｗ　しかも中のろうそく立ては100円ショップのファンシーコップやトイレの芳香剤の空き瓶！手作りの楽しさあふれる見事な工夫ですな。さてやっぱ地元のお菓子をいただかないとね！とコンビニで十勝小豆大福と北海道産マスカルポーネティラミスと角ハイボールを調達して冷蔵庫に叩き込み、まずはゆっくり露天風呂を楽しみました。やっぱ冬はこれに限りますなあ。風呂上がりのハイボールがまたたまりません。明日から関東でも大雪らしく、オートバックスなどはチェーンを求める客で賑わったそうな。うちのみんなは大丈夫かな。


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