北海温泉地獄紀行 2日目
8月14日（火） 札幌
ニセコ 湯煙に星は降りつつ
神仙沼
| 札幌 |
中央バス
高速ニセコ号 |
ニセコ |
| 08:25 |
11:20 |
今日は8時半のバスでニセコに向かうので、朝はちょっとゆっくりできるよ。というわけで目覚まし代わりに7時にカプセル内のテレビがつくようにしておいたら、結構大きな音がしたので慌てて消す。まだ寝てる皆さんごめんなさい。熱めの朝風呂をいただいて目を覚まし、朝の空気を楽しみながら札幌駅に向かいつつ朝ごはんのサンドイッチとお弁当を調達、更に駅ビルのスタバで水筒にコーヒーを入れてもらうのがマイジャスティス。バスターミナル前で朝ごはんを立ち食い(笑) バスはほぼ満席となりました。これからニセコのアンヌプリスキー場近くにある『ニセコいこいの村』まで3時間ほど揺られます。おっ、長距離バスにありがちなタバコの臭いがしない！最近は禁煙なんだろうな。あの臭いだけで気持ちが悪くなっちゃうからなぁ……。
札幌市内を走り抜けて高速に乗る直前、左手に立派な競技場らしきものが見えた。もしかしてコンサドーレ札幌のホームグラウンドだろうか。それはともかく……その隣にあるお城はなに！？……あ、これが白い恋人パークというやつか！つぎ北海道来たら絶対行こうと思ってたのに忘れてたよ……。小樽に向かう海岸線に出ると、これがまたうわぁ……と声なき声を挙げてしまうぐらいいい景色。確かこの辺りは朝里、銭函などといった名高い海水浴場でしたな。いつも通過するだけでこめんね。鉄道は海岸線ギリギリを走っているが、バスだと少し高いところから見下ろす形になって広い視野での景色が楽しめるのがいいところだな。
ようやくニセコに到着し、道の駅『ニセコビュープラザ』で一度停車。ここがまた実にいい道の駅なんだよね〜。野菜や果物、乳製品、加工食品、お菓子にお酒などニセコの幸が目白押し！軽食の売店もずらりですよ！明日札幌に帰る前に立ち寄ってなんか食ってく予定。ニセコ駅を通過して少し北に向かったところに、なんと一面のひまわり畑が！Σ(ﾟ∀ﾟ*) 明日時間があったらぜひじっくりと見物したいね！観光農園だったらなんかおいしいもんがあるかもしれないな。冷やしトマトとか冷やしキュウリとか冷やしメロンとか。
本日はニセコ五色温泉から北側の大沼、神仙沼などをめぐる登山コースに入り、神仙沼から道道66号線を湯本温泉まで降りてきて国民宿舎『雪秩父』に宿泊という予定。地図によるといこいの村付近から五色温泉にまっすぐ向かう登山道があるようで、どこで降りるのが一番かと運転手さんに訊いたところ、そんな道は知らないというΣ(ﾟдﾟ;) 無線で問い合わせてくれたけどやっぱり心当たりがないとか……。もしショートカットできないとなると、県道を大きく迂回しなければならず、五色温泉までたぶん20kmはあるので、さすがにちょっと焦る。でも運転手さんがわざわざいこいの村のホテルで訊いてくれて、やはり道があることを確認！ホテルのおじさんが地図をくれて、登山道の入口まで案内してくれたよ！では行ってきます(`･ω･´)
砂利道をちょっと進んだところで本格的な山道になり、妖怪ポストみたいなかわいいポストに置かれた入山記録帳に記入。いざという時はこれを元に捜索が行なわれるので、しっかり書かなくては。いやそれにしてもこの晴れ渡った空！降り注ぐ陽光！絶好のハイキング日和だね！……暑いけど。すげぇ暑いけど。できれば袖なしTシャツにでもなりたいぐらいだが、さすがに山でそれは危険なのでやめておく。しかしやっぱ普段山歩きしない人間がいきなりやるときついな〜。平地ならいくらでも歩けるが、山だと歩幅は一定しないし力加減も違うし、道がない場合すらあるからね。無駄に体力消耗しちゃいますよ。
ふぅ……なんとか五色温泉に出たぜ……。昔からの温泉宿やJRの保養所のほか、いつの間にかオートキャンプ場もできてる。温泉宿の裏のちょっとした渓谷にはそれなりに立派な橋とニセコ神社があるけど、こんなの憶えてないなー。そういや駐車場の脇においしい湧き水があったはず、あれを水筒とペットボトルに汲んでいくかな♪……なくなってる！Σ(ﾟдﾟ;) なんか不具合でもあったのかな。まあいいや、とりあえずお昼にしましょうか。ああおにぎりうめぇ♪やっぱ山登りのお供は梅干おにぎりとお茶だよな〜。1つ残して神仙沼で食べよっと。それにしても「スズメバチに注意。香水や黒っぽい服は避けましょう」の立て札が気になる。黒いポロシャツ姿なんですけど私……。
旅の安全と日本の復興を山の神にお祈りし、いよいよ沼めぐりコースに突入だ！神社の脇を抜けて奥のイワオヌプリ方面に進むと、以前より道や階段などが整備されてるような気がする。でもきついのは相変わらず……。虫が多いのもなー。チョウやトンボはともかく、ハチが怖い。クマも出ないとは限らないので、ほんとはクマ鈴があればいいんだけど、用意するのすっかり忘れてたよ……ニセコ来るたびに持ってこようと思いつつ必ず忘れちゃうんだよなぁ……。しょうがないので鈴の代わりに水筒を木の棒でカンカン鳴らして歩いていたら（実にいい音がする）、すれ違ったおじさんに「100%出ないよ(笑)」と言われたので、やめることにした。……出てきたら一生恨んでやる。
この辺りは高尾山などと違ってかなり"道なき道"度が高く、標識を見落とすと「ここどこだーっ！」という破目になりやすい。しかも一歩踏みそこなうと、気がついたら崖下という可能性が高いのが怖いのです。一度妙な起伏のある砂利地に謎のロープが張ってあるというところで道を見失い、これは間違えたに違いない！と少し戻ってやっと朽ちかけた標識を発見するという事態に陥り、マジで焦ったのでした。しかもハチみたいのがぶんぶんどこまでもまとわりついてくるし……。途中で小川を見つけたので、顔や手を洗うついでにペットボトルに汲んでおいたが、一口飲んだらすっぱくて渋い！温泉成分か！？
おおっ、左手の茂みの向こうに水のきらめきが！やっと大沼【写真】が見えてきました！こんなに遠かったかなと時計を見たが、なんと五色温泉を出てから1時間半も経ってない。体力の使い方が平地と全然違うんで、時間感覚が狂っちゃうな。怖い怖い。しかもなんかの拍子に右の足首痛めちゃったよ。さて進むうち茂みが切れて大沼の水辺に出たわけですが、その名のごとくほんとに大きいよなここは！沼というより湖レベルに広いのですよ。それにしても雄大な眺めだ……苦労した甲斐があったよ……。先客の六十絡みのご夫婦と入れ替わるようにして水辺の岩に腰掛け、一息つくかと水筒を取り出したところへ、ハチが飛んできたので逃げる(-ω-;) なにをするきさまらーっ！
さて次はいよいよ本日のメインイベント、神仙沼だ！その名のごとく何かがいそうな玄妙な雰囲気をたたえた沼で、道道66号線のレストハウスから散策路があるためサンダル履きや犬連れなどもちらほら。大沼からまた延々歩いてなんとか道道66号線に出たのが16時近く。ここは沼の東側で、レストハウスのある北側とは違って山道となり、神仙沼までは25分。日が暮れる前にカタつけたいのでそろそろ降りた方がいいかもしれないが、この時間なら大丈夫だろ！と早足で神仙沼を目指し、15分ほどで到着しました。……やはり素晴らしい光景だ！以前来た時には霧がかかってたけど、今日は快晴だからまさに水鏡だよ！この深い蒼はどうだ……。そして沼を眺めながらのおにぎりがまたうまい♪
レストハウス（といっても山の上の売店に毛が生えたようなもんだけど）には神仙沼めぐりするたびに寄って、カレーなんか食べてたもんだけど、今回はお昼は済ませたんでなんか冷たいもんでももらいますかね。……あれ、いつの間にかずいぶんと立派になってるような気がするな。おっ、冷蔵ケースにカットスイカが！Σ(ﾟ∀ﾟ*) 地元の『らいでんスイカ』だそうで、実によく冷えてて歯応えも甘さもほどよい♪我を忘れてむしゃぶりついてしまいました。地物の野菜や果物、和菓子、地酒、お土産品などが並び、近くの共和町で作った焼き菓子なんかもありましたね。まるで道の駅のようだ。
ごちそうさまとレストハウスを出てくると、16時50分弱……これから66号線をげしげし降りるわけですが、18時には着きたいところ。まあ車道だから暗くなっても平気だし（街灯ないけど）、気楽にいきましょう。でもさすがに疲れたよパトラッシュ。さて山中では散々悩まされたハチの類もここでは出まい……と油断していると、道端にでかいスズメバチの死体が落ちてたりしてちょっとビビる。車が結構やってきては追い抜いていくが、「なんでこんなとこ歩いてんだあいつ……」みたいに噂になってるかもしれんな(笑)
ちょっと早足だったおかげか18時前に雪秩父にたどりつきました！手前にいつの間にか野営地ができてるね。源泉でもある名物『大湯沼』【写真】見物は明日にして、まずは軽く風呂だな♪ここは建物はボロいし料理もたいしたもん出ないんだけど、露天風呂が最高なんですよ。鉄鋼泉と硫黄泉の2つの泉質を持ち、内風呂はそれぞれ1つずつ、そして5つの素朴な露天風呂。温度が低めなんでいつまででもつかっていられるのです。日帰り入浴もやってるので、ご近所の方々が家族で来てたりするよ。パジャマ姿の子供達がかわえぇ(*´∀｀) ヒノキ風呂でゆったりしながら空が青紫色に暮れてゆくさまをゆっくり眺めてたよ……うっとり……。
夕食は肉と野菜の陶板焼きに刺身に焼き物に……といつ来てもおんなじものが出てくる(笑) 別にごちそう食いに来てるわけじゃないから構わないけどね。さてここの風呂はなんと酒持ち込み可能！（瓶は危ないので不許可） というわけでロビーで調達したサッポロクラシックの350缶を片手に、再度露天風呂へと向かいます。…………星空。一面の星空。北斗七星ってこんなに大きかったのか……。街明かりなどもちろんなく、周囲に何もないので、舌筆に尽くしがたい素晴らしい星空が拝めるのですよ。真ん中に築山のある丸い露天風呂につかり、風呂べりに頭をもたれかけ、時間も忘れて星と酒を楽しむ。これこそ最高の贅沢ってもんじゃないですか……。
明日はニセコ駅まで歩いて、雄大なニセコの自然と羊蹄山を望み、駅前の温泉『綺羅の湯』を堪能し、道の駅『ニセコビュープラザ』の賑わいを楽しんでからJRで小樽に向かう予定。時間にあんまり縛られてないから、のんびりお散歩できますよ。まあお散歩といっても、25kmぐらい歩きますけど。……あいててて。痛めた右足首が妙に痛んできたよ。とりあえず洗面所の異様に冷たい水をコンビニ袋に詰めて、湿布代わりに当ててましょう。明日までになんとかなればいいけどな。汗だくで塩吹いちゃったポロシャツを風呂入る前にざっと洗って窓際に干しておきまして、ドライタイプとはいえ当然まだ乾いてないけど、肩口から裾の方に水が降りてきてる(笑) なるほど。
1日目へ
北海温泉地獄紀行トップへ
3日目へ